モーツァルトのクラリネット協奏曲は素敵ですね。
私のお気に入りは、アルフレート・プリンツのクラリネット、カール・ベーム指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏と、カール・ライスターのクラリネット、豊田耕児指揮群馬交響楽団の演奏です。
プリンツとベームのレコードは、とにかく音が円やかで柔軟な演奏。多少力感に乏しいと感じられるかも知れませんが、それはそれは素晴らしい演奏です。
ライスターと豊田、群馬交響楽団の演奏。ライスターの磨かれたクラリネットの音に必死につけていくかのように群響が奮闘しています。これは、群馬交響楽団の金字塔といってもよいLPレコードではないでしょうか。
何しろ、「あの」ライスターと「おらが」地方オーケストラが共演できた記録なのですから。私はこのようなことが心底嬉しいのです。
演奏の質自体はウィーンフィルに比較するべくもないかも知れませんが、私にはこのオーケストラの懸命の熱演のように感ぜられ、胸をつかれる思いにかられます。
時には群響の苦難の歩みに思いをはせ、こみ上げてくる瞬間もあるのです。私にとって大変貴重なレコードです。
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