2007年4月8日日曜日

モーツァルト 「ピアノ協奏曲第22番」 バレンボイムのピアノと指揮

モーツァルトのピアノ協奏曲は、そのどれもが魅力に溢れていて、「好きな曲を一曲あげてごらん」などと言われても困ってしまいますね。

22番のバレンボイムの演奏を取り上げましょう。これは彼がオーケストラを指揮しながら弾いた演奏ですね。

この演奏のことを知ったのは、宇野功芳氏のクラシック音楽の名盤を紹介した本によってでした。

詳しくは忘れてしまいましたが、そこには、この演奏が変幻自在の演奏であり、一瞬一瞬が絶妙のニュアンスで奏されている極めつけの名盤であるというようなことが書かれていました。

私はこのレコードは、仙台レコードライブラリーという初期盤を扱うレコード店から手に入れました。これがまた、幸いしました。

その高音質とも相まって、宇野氏の言葉通り、素晴らしい演奏にいっぺんにこのレコードが好きになってしまったのです。

冒頭の分厚いオーケストラの響き。まずは、ここで耳が一挙に奪われてしまいます。

それに続くピアノ演奏がまた、フレーズごとにニュアンスが変化する、宇野氏言うところの正に変幻自在の表現です。

どのフレーズも、きちんとした意味を持って聴き手に迫ってくる。単に音が出ているだけのフレーズは一つもありません。

「一つ一つのフレーズに息が吹き込まれ、それが有機的に絡まっていて、音楽全体が生き物のように蠢いている…」などと勝手に表現してみました。

音楽を聴く楽しみが、一瞬一瞬に現れて、時間を忘れてしまうレコードです。

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