2007年4月29日日曜日

マタチッチという指揮者のこと

マタチッチという指揮者を好いています。

この指揮者のことを初めて知ったのは、NHK交響楽団の演奏会のテレビ番組によってでした。何度かN響の客演に訪れていたようですね。

テレビ放映によって、ベートーヴェンの交響曲第7番・第9番、ブルックナーの交響曲第8番、ブラームスの交響曲第1番などの名演を視聴したように記憶しています。

もう既に高齢で、足下も覚束ない様子が見られました。指揮台に上がるのにもコンサートマスターの手をかりなければなりません。

しかし一度指揮台にあがれば、少ない動きではあっても的確な指先の魔法の指示によって、極めて重厚な音楽を作り上げるのでした。

彼は語ったそうです。「私は椅子に座って指揮はできない。100人もいるオーケストラを椅子に座ったままでドライブすることはできない。」と。

何だかこれは、人生における一つの重要な教訓を教えてもらっているような感じですね。本物のプロとしての重みのある言葉だと思います。

職人気質の頑固親爺から発せられるような言葉です。

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