モーツァルトのヴァイオリン・ソナタの中でも、唯一短調の調性をもつソナタ第28番ホ短調をお気に入りの曲としている人はたくさんいるのでしょうね。私もそのうちの一人です。大好きな曲です。
私がこの曲を初めて聴いたのは、クラリネットとピアノによる二重奏でした。随分前のことになりますが、あるサロンコンサートで聴いたのです。
クラリネットのふくよかな音色とピアノの音が混じり合い、素晴らしいアンサンブルだったように記憶しています。
パンフレットには、この曲が元来ヴァイオリンとピアノのためのソナタであることが解説されていました。
私は早速、アルテュール・グリュミオー(Vn)と女流のクララ・ハスキル(P)によるPHILIPS盤(モノラル)を手に入れ、大切に大切に聴き続けてきたのです。
モーツァルトには短調の名曲が多いと言われますが、この曲ほど哀愁を漂わせて聴く者の気持ちに直接訴えてくる曲も珍しいのではないでしょうか。
今聴くと、何だか悲しみが心に強く突き刺さってくるようで、ちょっとつらいと思う時もあります。
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