グレン・グールドのゴルドベルグ変奏曲、1955年盤は、バッハを演奏するアプローチの多様性を可能にしたという意義があるのでしょうか。
音楽に関わる雑誌や書物でそのようなニュアンスの文章を何度か目にしてきました。
私は音楽学者でもありませんし、ゴルドベルグ変奏曲を聴いたのもこのレコードが初めてなのですから、何にも言えないのです。
それまでの「ランドフスカ等との演奏の違い…」「新しいバッハ像…」。……これらの説明も私にはあまりよく分かりません。
私は、ただただ、音楽を楽しむことができ、そのうえ心の糧にでもなるような音楽に出あることができればそれでよいのです。
私はこのレコードが出たての頃、ただその評判のみをよりどころにLPを買い、聴きました。ちょうど私はその頃大病を患い、病床で、カセットテープに吹き込んだものをラジカセで毎日聴いていました。
その時は、この音楽が私の心理状況にぴったりだったのです。この闊達で鮮烈を極めた演奏が心に届いてきたということです。
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