2007年4月1日日曜日

ベートーヴェン 「弦楽四重奏曲第10番 ハープ」

ベートーヴェンの中期の弦楽四重奏曲の中では、最も聴く機会が多いのは、第10番のハープです。その他の作品のどれも傑作で素晴らしく、それぞれに凄みを感じる作品群ですがね。

この曲の聴き所はやはり、第1楽章のハープの命名のもとになった、ピチカートで奏される部分でしょうか。第1主題の後に、それぞれの楽器に受け継がれながら登場してきますね。

ピチカートも特徴的で興味深く感じられるのですが、私はこの曲全体に現れる流麗でしかも緊密感のあるメロディーやフレーズに耳を奪われます。

そうなると、もう、第1楽章のことだけを書くわけにいかなくなってしまいます。どの楽章も凄くて…。

第1楽章では、特に私は、コーダの最後の部分に感嘆してしまいます。

例のハープの音型が示され、同じ音型が繰り返されながら徐々に音楽が盛り上がっていく部分です。
流麗かつ華やかな音楽が迸り出て行きます。

この部分を聴くと、何だか、生きていることの喜び、生きる希望や勇気といった精神的なものを与えてくれるような気持ちになります。

ブダペスト四重奏団のレコードが決定版と言われるくらい有名で、私も持っていたのですが、今はありません。

多分私の耳が悪かったり、装置が悪かったりするのが原因ですが、音が「ぎすぎす」しているように感じられてしまうのです。何度も聴いてみたのですが、結局ダメでした。

ベートーヴェン演奏では、一部受け入れられていないようですが、今はアルバン・ベルク四重奏団の流麗な演奏のLPを聴いています。

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